Home > 経営者インタビュー > クリオサイエンス 株式会社 代表取締役社長 代田博文
 English       

経営者インタビュー

当社は、CRO(Contract Research Organization)という受託臨床試験機関として、薬の効き目や安全性を検査する、治験事業を担っています。治験では製薬会社に代わり、第Ⅰ層試験(フェーズ1:健康成人への投与)、第Ⅱ層試験(フェーズ3:少数の患者への投与)、そして最終段階の第Ⅲ層試験(フェーズ3:多数の患者への投与)まで行っています。当社は特にがん領域に対して重点的に取り組んでおり、GCP(医薬品の臨床試験の基準)に則って、新薬開発を進めています。

当社に入社すると、まずはGCPの理解に関する試験を受け、CRA(モニター)として全国の治験先の病院で、治験結果を集める仕事に従事します。CRA(モニター)とは治験先の病院で、治験が科学的かつ論理的に行われているか、計画通りにGCPに則って進められているか、などをチェックする仕事です。医療機関との仲立ちとなるため、治験に関わるスタッフは仕事においても人格においても、信頼性が求められます。最終的にはCRF(症例報告書)の確認、有害事象(副作用)の有無やプロトコルの照合といった、細かな流れの中で仕事を進めていきます。薬学部などバイオ系出身のスタッフが大半で、大学院卒業者が多くを占めますが、学部卒業者も社内ではだいぶ増えてきました。

 

氏名

代田博文 Hirofumi Shirota

愛読書

藤沢周平の小説

訪れたことのある国

仕事で、アフリカとインド以外のほとんどの国に行っています。

最近のマイブーム

自然が好きです。好きなハーブを集めてマイガーデンを作っています。

尊敬する人

本田宗一郎氏。意志を曲げないところを尊敬します。

 
経営者インタビュー

治験モニターは、医師・メーカー・病院スタッフなど、さまざまな職種の人と会う仕事。出張も多く、北海道から沖縄まで、色々な場所に出向きます。その分、福利厚生もできるだけ整備して、フレックスタイム制・半休制などの働きやすさを考えた工夫も採り入れています。夏休みなどにリゾートを利用できる、会員制のクラブにも加入しています。

入社1年後のフォローアップ研修も充実していますよ。長野県でバーベキューをして、温泉にも入ってと、社員旅行さながらの研修です。当社は平均年齢30歳と比較的若く、女性スタッフが多く活躍できる職場。遅くまで残っている人にはひと声掛け合うような、風通しの良さが特徴的です。

来年で創業5年目なので、1期生・2期生には海外研修で課題を探って来てもらいたいと考えています。

経営者インタビュー

社名に冠する”CLIO”には、Creativity, Liability, Innovation, Opportunityの意味を込めています。医薬品の開発に携わる人々の独創性を重んじ、責任をもって行動し、革新の精神を掲げ、人と薬の出会いを助けるのが我々のミッション。

がん領域を選んでいるのは、がんの症例が患者の数だけ異なるため、この領域での治験に携わるということが、患者さんのヒストリーを知ることにもつながるからです。同じがんでも、部位ごとに発症状況・投薬時の副作用は異なり、それらの膨大なデータを蓄積するのに時間がかかります。生活習慣病の薬はほぼ出揃いましたが、がんの薬というのはまだまだ開発途上。当社は少数例(患者が5万人以下)の、ニッチ領域の疾患も得意としていますし、医師主導治験などの特殊な治験のサポートも行いながら、新薬開発を積極的に支えています。

また、日本で優れた薬が生まれても、国外では使えないといった問題があり、これは昨今、解消に向かう風潮にあります。その改善も踏まえ、今後はアジアの広域における治験状況調査を提携会社を介して実施し、来年以降は中国との関わりも強めて行こうとしています。中国の製薬市場には、西洋医薬と中医薬が併存していたり、特許制度がまだ十分ではなかったりと、日本とは違った側面が見られます。かつての日本のような心付けが横行していたりと、今後変えていくべき部分も少なからずあります。その一方で薬そのもののニーズは確かに存在しますから、より多くの人に優れた薬を行き渡らせるミッションの一環として、アジアへの進出も目指したいですね。

経営者インタビュー

治験業界ができてから、およそ20年になります。社会問題とされた生活習慣病の薬はほぼ出揃い、いま製薬治験業界は『2010年問題』という、大型製品が今後10年は生まれてこないであろうというニーズ不在の問題に直面にしています。

それだけ治験のアウトソース件数も減ることになりますし、製薬会社そのものも買収されたり、外資との統合が進んだりして、企業数が減少しつつあります。アメリカでは治験の50%がアウトソースですが、日本では16~7%にとどまります。日本はバイオベンチャーが育つ風土ではなく、大変厳しい状況と言えますね。こうした背景には、人口そのものの少なさが挙げられます。中国は人口が世界1位の大国ですが、日本の人口はそれに比して遥かに少なく、治験データの不足や市場の小ささがどうしても目立ってしまいがち。中国に至っては、どこかの都市部での薬剤投与件数だけで、日本全体のそれを上回るほどです。

こうした事情から、近年では大手の一部上場企業がCROのM&Aに乗り出して来ており、中小企業には厳しい時代となっています。しかしながら、当社はがんやニッチ領域の疾患を強みにしています。
医学出版社のメディカルレビュー社や、コミュニケーションツール事業のインターサイエンス社などと提携しており、協力事業でのヘルスケア産業における展開も視野に入れています。美容健康商品から、ペット向け商品までプランニングしており、治験プラスアルファの事業でも、確実にシェアを取って行きたいですね。

経営者インタビュー

薬学部の卒業者の大半が、調剤薬局か病院、製薬会社への就職を希望します。治験というジャンルがあることは漠然と知られていても、明確に薬学部出身者の就職先として理解している人は少ないという印象を受けます。そのため、薬学部全体の治験業界への就職率は低いわけですが、こういう道もあるということを知っておいてもらえたら、選択肢も増えるはず。自分の将来の可能性を高めるためにも、治験について知ってほしいと思います。

今後、治験はグローバルな仕事になっていくと思われ、当社の社員の英語力もマストになりつつあります。現在、採用に関して、英語が得意な人を採用しています。外資のメーカーとやりとりをする際、トラブルをフォローする程度の英語力が必要です。コミュニケーションスキルと英語のスキル、思考力が不可欠の仕事ですので、入社試験では思考過程を見るために作文とプレゼンの課題を出しています。面接試験では、室内に入って来る時からすでに試験が始まっています。面接では緊張してしまって、なかなか言葉が出てこないという人も、誠実に話をするのが大切です。そして入社したら、「長い人生、がまんが大事」ということを思い出してください。せめて3年くらいはやり通せる人が望ましいですね。薬学の知識をベースに、自分に合った道を見つけていきましょう。

6歳

小学校での理系実験から理科への興味が芽生える。

14歳

「将来、野菜はビルの室内で栽培するようになる」という理系教師の父の言葉を受け、本格的に理系の進路に興味をもつ。

18歳

大学に入学

24歳

フランス外資の製薬会社に就職。社長に「この薬のことは君が一番よく知っている」とプロダクトリーダーに抜擢される。感覚よりも確実な論拠しか許されなかったため、市場調査などを徹底的に学ぶ。

55歳

クリオサイエンスを創業