Home > 経営者インタビュー > 株式会社 ニトリ 代表取締役社長 似鳥昭雄
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経営者インタビュー

学生の皆さんが「ニトリ」と聞いてまず想像するのは、「お、ねだん以上。」のCMでもおなじみの家具・インテリア用品の販売事業でしょうか。現在全国に235店舗、年間3000~4000品目もの新商品を発売するニトリでは、自社内商品の企画・開発をしています。

製造もベトナム・インドネシアにある自社工場で行い、出来上がった製品を運ぶコンテナ船も自社で手配することで、独自の製造物流小売り戦略を確立し、「お、ねだん以上。」の品質と安さを実現しました。

ニトリは、企画・設計・製造・貿易・物流・小売の全ての機能を持つ世界で唯一のビジネスモデルなのです。

 

氏名

似鳥昭雄 Akio Nitori

最近のマイブーム

自然(木)に語りかけること。熱海の別邸の庭にある赤松と黒松に語りかけている。

好きなスポーツ

スキューバーダイビング。7年前にインドネシアのサンゴが美しい島、マナドでライセンスを取得。

訪れたことのある国

アメリカ:アメリカで見た「衝撃」全てが今のニトリを作った原動力。

座右の銘

「即決・即断・速攻」、「ロマン、ビジョン、意欲、執念、好奇心(成功の5原則)」

 
経営者インタビュー

23歳の時に親兄弟から借りた100万円を元手にスタートさせたのが「似鳥家具店」。実は極度のアガリ症だった私が自身で接客をしていたため、当時は全く商品が売れず、最初はずっと赤字続きでした。細々とカップラーメンを食べる毎日の中、突然転機が訪れました。

その転機とは、今の妻との結婚。妻は人と話すのがとても上手く、常連のお客様がどんどん増えていきました。その状況を見て「アガリ症の自分には何ができるのか。」そう自問した時、「よい商品を安く提供する」ということを悟ったのです。

それからはより安く、よりよい商品を見つけるために全国のメーカーや問屋を奔走。その甲斐もあって、2号店を出店するまでになりましたが、近所に突然大きな家具屋が出現したことで、突如風前の灯状態に。

絶望感に打ちひしがれていたところ、アメリカで家具業界の研修があるという話を聞きつけました。その話を聞くやいなや、私は親類からお金をかき集め、すぐにアメリカへ。そこで大きな衝撃を受けました。

販売されている家具やカーテンは日本の価格の3分の1、使う側の立場に立った、日本では見たことのないような便利な商品。それらが、誰でも気軽にコーディネートを実現できる状態で並んでいたのです。

こういった、便利なチェーンストアが、いたるところにあり、国民の暮らしを支え豊かな住空間を提供していました。「日本にもこんな豊かな住環境をつくりたい!」そんな欧米の豊かさへの憧れが、今の「ニトリ」が生まれる原動力となりました。

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アメリカ研修からこれまで、一貫して私が持ち続けているのは「欧米並みの住まいの豊かさを、日本の人々に提供したい」というロマン(志)。これまでは、値段のわりに品質・機能が良い、まさに「お、ねだん以上。ニトリ」というイメージを確立してきましたが、今後は世界マーケットを視野に入れるべく、さらなる事業規模の拡大を図っていきたいと考えています。

それは、「コーディネートのニトリ」という新たなイメージの定着。家具・食器・カーペットなどを別々に企画・製造・販売するだけではなく、複数商品のデザインやスタイルを統一し、全てをトータルコーディネートできる商品群を増やすことで国民の暮らしを楽しく彩っていきます。

昨年は4種類のトータルコーディネートシリーズを展開しましたが、今年はシリーズ数も10種類と大幅に増やしました。CMで放映して話題にもなった「148,000円のシステムキッチン」もこの施策の一環です。また今年5月には外国人向けの別荘をニトリの商品でトータルコーディネートをして販売したところ、かなりの反響があり、海外の顧客層に対しても大きな手ごたえを得ることができました。

海外進出においては、実は既に7店舗を出店済みですが、満を持してアメリカ進出への準備が整ってきました。アメリカには、質の高い商品はたくさんありますが、ニトリのような低価格帯で、商品開発からコーディネートまでやっている小売店は、まだ存在していませんから、競争の激しいアメリカでも十分に勝機はあると感じています。世界一競争が激しいマーケットの中で、「世の中にまだ出ていない便利な商品(ニーズ商品)」を作っていくことで、憧れの存在だったアメリカに挑もうと思っています(笑)。

経営者インタビュー

ニトリが生む利益の90%は、社員の力で成り立っていると私は考えています。経営者である私は、社員たちが一生懸命作ってくれた利益を投資する、そのために存在するといっても過言ではないと思っています。宣伝、設備投資と数ある投資の中でも、特に力を入れているのが社員教育。「ニトリ大学」と銘打って入社から入社20年後までの間に、時間と資金を費やしたバラエティ豊かな研修を実施しています。

また3年に一度ではありますが、好評なのがアメリカの西海岸への研修旅行。アメリカの「豊かさ」や売れている小売店での「現場感」を実感してもらうことで、ニトリでの仕事に活かせるヒントを得てほしいという想いで、年間900名、内パート社員100名を送り出しています。

企業が成長できるのは、社員が成長してこそ。ニトリが発売する「安くて良いもの」を作っているのは、社員たちですから、社員たちの日々の目覚ましい成長にはいつも嬉しい気持ちでいっぱいです。

経営者インタビュー

今の学生さんは、自分の長所や強みに気づいていない方が多いと感じます。人は自分のコンプレックスや欠点は自覚していても、「自分は何が得意か?」「何が向いているか?」ということには、気づきづらいものです。ただそんな方も、ニトリでなら企画・設計・製造・貿易・物流・小売…様々な業種がありますから、ご自身の強みや、やりがいを見つけられる仕事に出会えるのではないでしょうか。

大事なのは、大きな夢やロマン、そしてビジョンを持つこと。逆に言えば、それさえあればどんな技術もきっと身につけることができます。まだやりたいことや、将来の目標が見い出せていない方に、ぜひ「ロマンとビジョンを抱いてほしい」、そう伝えたいですね。

~18歳

中学時代から父親が営む建築業を手伝い、自然と経営者としての視点を身につける。高校時代には一人で事業を請負い、進学するための学費を稼ぐ。

22歳

北海道学園大学卒業、その後広告代理店へ就職するも「社長や会社のために働く毎日」にヤリガイを見い出せず、1年で退職。

23歳

近所に家具店がなかったことをきっかけに「似鳥家具店」を創業。当初は毎月赤字が続き、主食は15円のカップラーメン。

49歳

北海道外1号店として勝田店(茨城県ひたちなか市)を開店。その後、次々に本州に出店を行い10年間で100店舗を達成。

63歳

「宜得利家居」として初の海外店舗を台湾の高雄市にオープン。

66歳

会社分割により持ち株会社制へ移行。販売部門と物流部門を分割し社名を「株式会社ニトリホールディングス」へ改める。